夜尿症

夜尿症とはいわゆるおねしょの専門用語的言い回しです。夜尿がなくなるはずの年齢に達しているのに、寝ている間に偶発的に繰り返し起こるものを言います。

23歳の間の夜尿はよく見られる事で正常です。4歳児の30%に、5-6歳児の10%に夜尿が見られ、10歳児では5%以下となります。18歳になっても、1%程度の人に見られます。女児より男児に多いです。

子供は年齢が進むにつれ、 膀胱を完全に制御できるようになります。この年齢は家系に依存する傾向があります。つまり、夜尿症は遺伝的に膀胱の筋肉が弱かったり、容量が小さいために尿を保持できないことが原因の場合があります。子供の中には、腎臓が水分を保つように働く抗利尿ホルモンの分泌が少ない場合もあります。ホルモンの分泌が少ないと、より多くの尿が作られるわけです。1-2%の小児に夜尿の原因となる次のような身体的異常があります。尿路感染、尿道狭窄のような尿道の解剖学的異常、膀胱をコントロールする神経の異常、未治療の糖尿病などです。

また、家族や学校に関連した感情的な問題やストレス、悪夢や夢遊といった睡眠への恐怖など、精神的な原因もあります。これらは一度とまった後、再び始まる夜尿症の原因にもなります。

もし子供が6 歳になっても夜尿が見られるようなら、医師は身体的な原因を除外する必要があります。感染や糖尿病がないか血液や尿の検査をします。尿路の解剖学的な問題がないかレントゲンや超音波検査をします。膀胱の神経や筋肉を評価するための特殊検査を行うこともあります。医者はまた、あらゆる心理的な問題を分析する必要があります。これらの子供の大半は確認可能な身体的原因がなく、夜尿症も殆んどは自然によくなります。

どの年齢の小児においても、膀胱を空にして、寝る前2時間は水分接種を避けることは有効な対処法です。尿の産生を増やす、コーラのようなカフェインを含んだ飲み物を避けることも有効です。

例えば夜尿した時はベッドシーツを替えさせたりして、できる限り問題に対して責任を持つよう、子供を励ます事も有効です。夜中におそれずトイレに行けるように、十分に明るい照明をつけましょう。決して叱ることなく、元気づけ、励ましましょう。実際、夜尿のなかった時にほめることはより効果的です。もし原因としてストレスが疑われるのなら、それについて話をするようにお子さんを手助けしましょう。

最近の治療の中で最も効果的なのは夜尿アラームです。それは、子供が夜尿をすると感知する、下着に取り付ける特別なパッドです。数滴の尿でも感知し子供を起します。これは安価に導入できますが、効果が出るのに数週間かかります。最初は夜尿の後に子供は目を覚まします。数週間後、夜尿の頻度は減少し、最終的にはトイレに行くために目を覚ますようになります。1ヶ月ほど夜尿がない後に、アラームは取り除けます。70%の小児はこれで治癒しますが、そのうち、10%は後に再発します。

時に薬物療法を要します。二つのタイプの薬があります。一つはイミプラミンという抗うつ薬で、膀胱の緊張を緩め、尿の流出部を引き締め、尿が出るのを抑えます。それはすぐに効きますが、ほとんどの子供は薬をやめた後、再度夜尿をします。この薬はまた深刻な副作用をもたらすことがあります。もう一つの薬はデスモプレシンといい、鼻スプレーの形で使います。これは尿量を減少させます。この薬も同様に、やめれば再発します。

大多数の子供で、夜尿は治療を必要とせず、時間とともに消失します。夜尿の唯一問題となることは、本人が感じる深刻な困惑と羞恥心です。子供の不安と罪悪感をやわらげるために、親には、理解と元気づけをもって、子供がこの問題を処理するのを手助けする重要な役割があります。

 

日本人会診療所

     Dr Yap Ai Lin

大西洋一訳