ハウスダストのダニ

家の塵に含まれるダニは、喘息やアレルギー性鼻炎、そして時に湿疹のようなアレルギー疾患の、もっとも一般的な原因です。遺伝的な素因を持った 人においては特にそうです。中でもダニのふんが主要な原因物質です。ふんの小さな塊は、人が活動すると宙に舞います。これが換気の悪い 部屋で起これば、流れのない空気の中に浮遊したままとなり、それに気付かぬ人々が吸入することになります。ふんの中の強力な酵素は肺の保護粘膜、鼻粘膜、眼球結膜などを障害します。

家の塵に含まれるダニは世界中におり、実際少なくとも12-15 の種類があり

ます。これらのダニは体長約1/3 ミリメートルまで育つことができ、通常肉眼では見えません。乳白色かクリーム色で、8 本の足があり、目はなく、飛んだり跳ねたりすることができなく、まさに呼吸器と消化器を備えた歩く腹であると言われています。彼らは主として垢(人は1日平均0.5-1gの垢を落とします。) 、カビ、菌、昆虫の死骸に、これらを含んだ家のほこりを食べます。

ダニは1か月ぐらいで卵から成虫にふ化し、成虫の平均寿命は約2 か月です。ふ化までの期間と寿命は、種類、直接的な環境要因、餌となるものの状態によって左右されます。一般的に、ダニの成長のための最適条件は温度20-25度、湿度70-80%です。メスのダニは1日に1 -2 個の卵を生み、生涯におよそ100 個卵を産むことができます。ベッドからとった1gの埃にはおよそ100,000 匹のダニが存在し得ます。

現代の家では、二重窓や、調理、シャワー及び浴室からでる湿気の増加、換気の減少、カーペット、中にたくさんものをつめた家具、ぬいぐるみ、ベッド及び寝具、他、ダニの理想的なすみかとなる全てのものを備えており、ダニが繁殖するのに完璧な環境が出来上がっています。

 

ダニの制御のための指針:

ダニがたまるのを防ぐため、10ミリミクロン以下の細かい編み目の生地か、湿気を通すカバーで枕を包みましょう。

同様に、湿気を通すものかプラスチックカバーでマットレスを包みましょう。

ビニールかプラスチックでベッドのスプリングボックスを包みましょう。

·        60度のお湯で寝具を毎週洗いましょう。

ベッドに動物やぬいぐるみを置くのをやめましょう。

ベッド、寝具すべてを日中に乾燥させましょう、寝るときだけ寝具をセットしましょう。

毎週掃除機をかけましょう。(掃除機をかけるときはマスクを使い、その後20分は窓を開けたまま部屋から出ましょう。)

掃除機が適正な構造(通常、排気口に二重もしくは高性能微粒子のエアー・フィルタが使われている。)をしているかどうか確認しましょう。

シャワーの後や料理の際は窓を開け、蒸気を逃がしましょう。

ダニは日光をきらうので、晴れた乾いた日に家を乾燥させ、敷物や毛布を日干ししましょう。

ダニは体温を制御することができないので、ぬいぐるみやそういった小さなものを冷凍庫や乾燥機に入れると、ダニの集まりを駆除できます。但し、熱いお湯で洗浄し乾燥させることが、ダニの集まりを防ぐ最も良い方法です。

家にエアー・フィルタを導入しましょう。

屋内の湿度を減らしましょう。

革張り、ビニール張りまたは木製の家具に取り替えましょう。

洗濯できるカーテンかブラインドに取り替えましょう。

地階に住むことを避けましょう。

最後に、このトピックに関して注意するべき興味深いポイントをお話しします。 妊婦がダニのふんの中のアレルゲンの一つを吸入すると、それが子宮内へ侵入しうるという研究結果があります。アレルゲンがひとたび血流に入り込むと、胎盤壁を通り、羊水の中に入ります。生まれる前に、胎児は羊水を1日あたり0.7リットル飲み込み、その内容物の10%を吸収します。新生児の20%近くが生下時に免疫学的マーカーとなるダニの侵襲的アレルゲンに対して反応します。これは幼児期にふんに再暴露することへと続き、子供をアレルギーの道へと導き得ます。研究者は現在この生下時より敏感に反応する幼児を特定するための簡便なテストを開発中です。

特定されれば、既知のアレルギーの誘発要因から子供を守れるかどうかは両親次第です。

日本人会診療所

Dr Yap Ai Lin

大西洋一

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