
医師 小川原 純子
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外来で、患者さんから色々な疲労・不安をうかがっていると、「心のギャップ」という一つのフレーズに行き当たりました。「心のギャップ」とは、自分の本音と、実際に周囲に見せている表情や発言・態度との差異を表現したものです。 みなさんも、絶対に経験したことがある「心のギャップ」。 日頃の生活の中で、こんな経験はありませんか? |
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この様な感情と実際の自分の行動・表情の解離は、当事者の心のエネルギーを著しく消耗させます。そうは言っても、お客様には、話を合わせることが当然だし、あんまり、周りの雰囲気を壊してまで、身勝手に振舞うのも大人気ないですよね。相手に気分よく過ごしてもらいながら、自分の気持ちを押し殺しすぎない…なんてことが、出来るのですから、人間は本当に高等な生き物です。 ですが、この「心のギャップ」がどんどん広がって、自分のペースを見失った時に、心のバランスが崩れます。一番重症なのは、自分の心にギャップが出来ていると気付かないまま、徐々に開きが進行している時です。「ここはこう言った方が、相手が喜びそう。」「ここはこんなリアクションの方が、話が弾みそう。」こんなことを、無意識で連続してやっていると、心のエネルギーが著しく減って、ダウンしてしまうのです。しかも、周りの人が自分の苦労を全く理解していなかったり、あまりにも当然と思っていたりすると、疲労感が倍増します。 ところが、自分のストレスの対象が、「本来、ストレスの対象となるべきでない人」に向けられている場合、人はどうするのでしょうか? |
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ありますよね・・・こんなこと。あなたなら、どうしますか?日本の教育・文化の背景もあり、日本人は、「仕方がないから、受け入れる」という姿勢を好む傾向が、男女共に強くあります。でもそうやって自分の生の感情を飲み込むと、心が一杯になって「重く」なってしまいます。 では、どう対応すればよいのでしょうか?はっきりと、自分の感情を言葉にすることが、一番効果的です。もちろん、当事者に向かって口にする必要はありません。こんなに狭い社会のシンガポールでは、当事者同士のトラブルは避けたいし、友人の誰に本音を話すのかは、結構難しい問題ですよね。それでも、時間をおいてから、信頼できる同僚・家族・友人などを探し、一度は、自分の感情を頭の中から、外に取り出してみましょう。口外することが憚られる内容なら、例えば、車の中の、独り言でも結構です。「全く、訳が分からないなあ。」「一体、どういう思考回路をしているのだろう!」「常識がないんじゃない?」「アー、疲れた。いい加減にして!」など等、本当に感じたストレートな気持ちを言葉にして、口にすることが大切です。上手に口にできない方は、紙に書き出して、後でその紙をちぎって捨ててしまうという方法もあるそうです。その他に心のギャップを広げすぎないいくつかの方法があります。これは、次回お伝えしましょう。 |
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●筆者紹介(おがわら・じゅんこ)
東京医科歯科大学医学部卒業 、東京医科歯科大学第一内科所属
国家公務員共済組合、九段坂病院にて心療内科
日本内科学会認定内科認定医 、日本心身医学会会員
2001年4月より現職