
Dr. Yap Ai Lin
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男女とも約半数の人が、一生のうちにヒトパピローマウイルスに感染すると言われています。免疫の力で徐々にウイルスは排除されていくとされていますが、検査では見つからないような休眠状態になって体内に潜み、何年もしてから活動性を取り戻すということも考えられないことではありません。
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子宮頚部、膣、直腸、肛門や陰茎などの粘膜表面に感染する可能性のあるヒトパピローマウイルスは40種類を越えます。性器パピローマウイルスは、高危険度群(癌と関係する)のものと低危険度群(癌とは関係ない)のものとに分けられます。ヒトパピローマウイルス16と18は、子宮頸癌と関係する高危険度群に属するウイルスで、ヒトパピローマウイルス6と11は、性器や呼吸器のいぼと関係する低危険度群に属するウイルスです。 |
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ヒトパピローマウイルスに感染した女性のうち約10%の方が、持続的な感染者となります。高危険度群のパピローマウイルスに持続感染している女性は、子宮頸癌の前がん状態や子宮頸癌にかかる危険度が高くなります。子宮頸癌のほとんどの原因は、ヒトパピローマウイルスへの持続的感染とされています。外陰、膣、陰茎や肛門の癌も高危険度群のパピローマウイルスと関連があります。 低危険度群のヒトパピローマウイルスは、男女ともに陰部のいぼと関係があります。稀ですが、そうした低危険度群のウイルスが周産期に新生児に感染し、気道のいぼを生じることがあります。これは再燃性パピローマ症として知られています。 |
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このたび、シンガポールでは、ヒトパピローマウイルス(6,11,16,18)に対するワクチンが使用できることになりました。これにより70%の子宮頸癌、90%の性器のいぼを予防することができると期待されます。今のところ対象年齢は、9歳から26歳の女性となっています。例えば、ヒトパピローマウイルス(6,11,16,18)のどれか一つの型に既に感染している女性は、そのウイルスに関してはワクチンは無効ですが、他の3つに関しては予防効果があります。若い女性ですと4つの型全てに既に感染していることはまずないと考えられますので、若年の女性ほどより適応があることになります。 このワクチンによって、ヒトパピローマウイルスに対する予防は大きな成果が期待は出来ますが、健診の際の子宮擦過細胞診が不要になるわけではありません。というのは、このワクチンで全てのヒトパピローマウイルスの感染を防止できるわけではないからです。また、基礎免疫として3回のワクチン接種を終了しなければ十分な効果は得られません。ワクチン接種をされても性行為による感染症(ヒトパピローマウイルスやその他の性病)を予防するために、性交時には適宜、コンドームを使用するなどの防御策は忘れないようにする必要があります。 |
| いままでのところ、このワクチンは、女性には安全で効果があることが報告されています。また、男性にも効果があることが考えられますし、男性に効果があるとすれば間接的に女性を守ることにもなります。このワクチンに関しての男性への効果に関しては現在研究中ですが、近い将来、結果が公表されることになるでしょう。 |
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ドクター・ヤップ・アイ・リン
Singapore 大学医学部卒M.B.B.S.
(Bachelor of Medicine, Bachelor of Surgery)
Singapore 医学協会会員ポリクリニック
家庭医、一般医、2001年9月より日本人会診療所
好きな食べものはドリアン、趣味は読書と歌うこと