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Dr. Yap Ai Lin

 頭髪が一日50本くらい抜けるのは正常なのですが、毎日、100本以上毛が抜けていくときには異常と考えていいでしょう。脱毛の原因は様々ですが、最も普通に見られるのは、アンドロゲンというホルモンが関係した脱毛です。

アンドロゲン性の脱毛

 最も普通に見られる男性型、女性型の脱毛です。50歳までに40%の女性、50%の男性に症状が出現します。遺伝も関係します。例えば、ご両親や兄弟に脱毛がある方には高率に同様な脱毛が見られます。血縁者に脱毛がない場合には、遺伝性というより、患者さん御自身のホルモンに原因していると考えてよいでしょう。この種の脱毛は思春期以後、いつ発症しても不思議はなく、徐々に進行していきます。

 男性においては男性ホルモンが頭皮の毛嚢を小さくする方向に働きます。このため、頭髪そのものの発育が悪くなり、もともとは太くて長かった毛髪が短くて細くなってしまいます。なかでも頭頂部や前頭部に強く症状が現れます。その部分の毛髪が全く無くなってしまうこともあります。

 女性でも、男性ホルモンの分泌が多めの方は、比較的若いときから、毛髪が細めになったり、脱毛がめだったりします。しかしながら、多くの場合、女性型の脱毛においては、男性ホルモンの増加は認められません。

 男性型の脱毛に対しては、経口薬と塗り薬があります。これにより、脱毛の進行を遅らせたり、止めたりすることが出来ます。多い量ではありませんが毛髪が再び生えてきたりする方も、時々いらっしゃいます。そうした方はずっと薬を使い続けると効果が持続します。

 女性の方の場合には、まず、そういうパターンの脱毛かどうかをしっかり調べることが必要です。女性用には飲み薬はなく、塗り薬のみです。

 男性型脱毛も女性型脱毛も放置しておけば、そのまま症状が固定してしまいます。早めに治療すればするほど、毛髪を多く残すことが出来ます。進行した方の場合にはカツラ、付け毛、付け毛の編みこみや、植毛などを考えても良いでしょう。

その他の脱毛

 脱毛には他にも種類があります。正しい原因を見つけることは正しい治療の鍵となります。

= いくつかの原因を挙げてみました =

ストレス性の脱毛

 この場合には突然、急に全ての頭髪がなくなってしまいます。これはその脱毛の2?4ヶ月前に起きた突然の大きなストレスが原因となります。それは極端なダイエットや大きな病気であったり、出産後であったり、強い精神的なストレスであることもあります。そうしたストレスが一時的なものであれば、脱毛も一時的で、再び毛が生えてきます。

円形脱毛症

 これはある種の白血球が毛根の細胞を攻撃するために起こる自己免疫反応のひとつです。体のどこででも起きる可能性はありますが、頭皮が最もよくみられる場所です。斑点状に、突然毛が抜けることが多いです。

感染による脱毛

 カビの感染は毛髪をもろくし、切れやすくします。

慢性疾患

 甲状腺疾患、膠原病、鉄欠乏性貧血などで脱毛が起こることがあります。

トリコチロマニー(抜毛癖)

 抑えがたい衝動とそれに伴う不安により自分の毛を抜いてしまう状態です。精神疾患の一症状と考えられます。

毛髪の加工

 一般的には、例えば、毛を染めることなどは脱毛とは関係しませんが、過度に毛髪を加工することは髪の毛をもろくしてしまいます。

 以上述べたことで全てを説明できるわけではありませんが、もし脱毛が続くようなら、病院にかかり、適切な診断と治療を受けましょう。

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ドクター・ヤップ・アイ・リン
Singapore 大学医学部卒M.B.B.S.
(Bachelor of Medicine, Bachelor of Surgery)
Singapore 医学協会会員ポリクリニック
家庭医、一般医、2001年9月より日本人会診療所

好きな食べものはドリアン、趣味は読書と歌うこと