健康診断結果の見方(その7)

 耐糖能異常(その1) 

1.基礎知識

*血液中のブドウ糖は、体のエネルギー源なので、空腹時および食後の値は60-160mg/dlの範囲に保たれるよう調節されています。調節は主にホルモンによって行われ、食事によって血中のブドウ糖が高くなると膵臓からインスリンが分泌され、細胞へブドウ糖を取り込ませ、血糖を下げます。空腹時などで低くなるとグルカゴンが同じく膵臓から分泌され、肝臓などに貯めたブドウ糖を血液中に放出させます。

*インスリンの分泌が悪くなると血糖は高くなり、糖尿病となります。

*糖尿病には、インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞がウイルス感染などによって破壊される若年性のインスリン依存型糖尿病と、遺伝的因子に過栄養・運動不足・肥満等が加わって起こる成人発症型のインスリン非依存型糖尿病があります。通常見られる糖尿病は後者です。

*糖尿病では、臓器の細胞の糖代謝が悪くなり、やがて種々の合併症が出現します。とくに成人発症型糖尿病では、初期にはほとんど症状がなく、眼底出血、腎障害、神経障害などを起こして気付くこともあります。

*合併症には、血管障害(眼底出血、狭心症、腎障害など)、感染症、代謝異常(多尿、脱水、高脂血症など)、神経障害(しびれ、自立神経障害、脳卒中など)、白内障、皮膚炎などがあります。

*家系に糖尿病のある人は、とくに糖尿病の発生率が高くなりますので、定期的な検査と日常生活での予防が重要です。

<糖尿症の診断基準>

正常  空腹時血糖110mg/dl未満 かつ 糖負荷試験2時間値140mg/dl未満

糖尿病 空腹時血糖126mg/dl以上 または 糖負荷試験2時間値200mg/dl以上 または随時血糖200mg/dl以上

境界型 上記以外

糖尿病の診断にはさらに

1.再度の確認

2.典型症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在

3.HbA1c6.5%以上

4.糖尿性網膜症               のいずれかひとつが必要

日本糖尿病学会 1999年

 HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー) 

1.基礎知識

*血糖が高い状態が続くと、ヘモグロビンなどの蛋白にブドウ糖が結合し、その割合が増加します。

*その値を測定すれば、過去4?8週間の血糖の平均値を知ることができ、血糖がうまくコントロールされているか判定できます。糖尿病の検査の一つとして行われます。

<正常値>  5.8%以下

健診結果はきちんと健康増進に生かしましょう。ガイドラインに基づいた正しい治療を受けましょう。

(その2に続く)

日本人会診療所

大西洋一

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