健康診断結果の見方(その5)

 中性脂肪 

1.基礎知識

*中性脂肪(トリグリセライド)は、食事中の脂肪が腸で吸収され血液中にとり入れられたもの(外因性トリグリセライド)と、いったん肝臓に取り込まれた脂肪が、再び血液中に分泌されたもの(内因性トリグリセライド)の両者から構成されています。検査は通常空腹時に行うので、後者を測ることになります。

*血中の中性脂肪が高くなると、1.動脈硬化を引き起こす 2.膵炎を引き起こす の2つの危険があります。

*血中の中性脂肪が高くなる病気には、次のものがあります。

1.原発性高脂血症:遺伝や生まれつきの異常によるもので、家族に多くみられます。

2.二次性高脂血症:食事(アルコール、糖分や脂質のとりすぎなど)によるものと、他の病気(内分泌の病気、糖尿病、肝臓病、ネフローゼ、貧血、骨髄腫など)によるものがあります。とくに食事によるものが重要です。

<高中性脂肪(トリグリセライド)血症の診断基準>

中性脂肪   150mg/dl未満 正常  150mg/dl以上 高中性脂肪血症

高脂血症診療ガイドライン案 日本動脈硬化学会 2001年

2.日常生活上の注意

*肥満である場合は、まず肥満を是正する必要があります。とくに糖尿病を合併している人では重要です。

*食事療法の基本は、以前お話しした総コレステロールの項のとおりです。高中性脂肪血症の場合、とくに重要なのは

1.糖分の摂取を抑えること、めん類、清涼飲料水、果物に注意する必要があります。

2. 間食は絶対にしないこと。

3. アルコールはなるべく少なくし、これも1日のカロリーに計算します。中性脂肪が500mg/dl以上の人は禁酒です。

*運動療法は、総コレステロールの項をみてください。

*次の人は、医師による薬物療法が必要です。

1. 3-6ヶ月間の食事療法によっても、中性脂肪(トリグリセライド)の値が300mg/dl以上の人

2. 中性脂肪(トリグリセライド)の値が500mg/dl以上の人は、膵炎を合併する可能性があるので、かかりつけの先生や、病院の先生に相談してください。

 

健診結果はきちんと健康増進に生かしましょう。ガイドラインに基づいた正しい治療を受けましょう。

日本人会診療所

大西洋一

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