健康診断結果の見方(その3)

コレステロール(後編)

今回は前回に引き続きコレステロールについてお話しします。

2.日常生活上の注意

*食事療法と運動療法がまず第一のステップです。10%コレステロールを下げると心筋梗塞の発生は、10?20%低下します。

*食事療法

1.1日の食物量を減らす:よくいわれるように腹八分としましょう。

2.コレステロールの摂取を減らす:1日のコレステロール量を300mg以下にします。コレステロール含量が多い食品は、卵黄、イカやエビ、レバー、貝類、動物や魚の内臓、魚卵などです。卵黄1個には235mgのコレステロールが含まれています。洋菓子も危険です。ただし卵には多数上質の栄養素が含まれているのでやめてしまうのは好ましくありません。量を加減しましょう。牛乳は1日200-400mlとってもコレステロールは30-

3.多価不飽和脂肪酸を多くとる:飽和脂肪酸(獣脂)はコレステロール、特にLDLコレステロールを増やします。単価不飽和脂肪酸(オリーブオイル)はコレステロールを下げます。n-6系多価不飽和脂肪酸(リノール酸、植物種子油)はよりコレステロールを下げる作用がありますが、多量にとるとHDLコレステロールも下げてしまいます。n-3系多価不飽和脂肪酸(EPA、魚油)は中性脂肪を下げます。具体的には、肉よりは魚、動物油を植物油にかえることです。 量に注意する必要もあります。

4. 食物繊維を多くとる:食物繊維はコレステロールの吸収をおさえます。理想は現在の1.5倍です。繊維の多い食物は、オートミール、ライ麦パン、玄米、コーンフレーク、ひじき、しいたけ、大豆、野菜などです。

5.規則正しい食生活:食事療法は定期的に確認しましょう。自分の好みに合わせてうまく実施することも長続きのコツです。また食習慣として、1日3回定時に食べる、夜遅く食べない、夕食を多くしない、ゆっくりとよく噛んで食べるなどが必要です。

6.肥満を解消するとHDL-コレステロールは高くなります。

*運動療法

運動は、コレステロールの代謝を促進する働きがあり、また、エネルギーを消費する働きもあり、高脂血症にはよい療法となります。

1.運動すると食欲がでますから、食事療法とともに行うと効果大です。

2.有酸素運動、すなわち中程度の運動が脂肪をよく燃焼してくれます。また10分以上続けないと脂肪は燃焼しません。これには、早足走行(ウォーキング)を1回30分、週3日以上が適しています。水泳や自転車も適しています。

3.服装や靴(底の厚いウォーキングシューズ)を用意しましょう。

4.運動の前後には準備体操や整理体操をしましょう。

5. できれば、開始前に医師のチェックを受けて下さい。

6.運動はHDL-コレステロールを上昇させます。長時間持続する運動が効果的です。

*その他、気をつけることとして以下のことがあります。

1.喫煙はHDL-コレステロールを下げます。禁煙により上昇します。

2.適切なアルコール摂取は、HDL-コレステロールを上昇させます。1日量として日本酒で1日1合、ビールで1本、ウイスキーダブル1杯が適切です。 過剰摂取をすると、食欲増進作用や酒のつまみを増やしたりで有害です。

*一般に薬による治療が必要なのは次の人です。

1. 男性は45歳以降、女性は閉経後に高脂血症の人は治療を考慮。

2.3〜6ヶ月間の食事療法によっても、総コレステロールが240mg/dl以上の人もしくはLDLコレステロールが160mg/dl以上の人

3. 危険因子(年齢、喫煙、高血圧、心電図異常、肥満、糖尿病、低HDL血症、高中性脂肪血症)のある人はさらに厳しい基準となります。かかりつけの医師や病院で相談してください。

4. 冠動脈疾患の既往のある人

高脂血症診療ガイドラインより抜粋 日本動脈硬化学会 2002年

*多くの高脂血症の薬は、他の脂質を改善するとともに、HDL-コレステロールを上昇させます。

*コレステロールの生合成は深夜から早朝にかけて亢進するので、薬は夜の服用が効果的です。

*高LDL-コレステロール血症を改善すると、心血管障害の可能性が減少することが明らかとなっています。

健診結果はきちんと健康増進に生かしましょう。ガイドラインに基づいた正しい治療を受けましょう。

日本人会診療所

大西洋一

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